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2015年11月1日日曜日

匂いが記憶を呼び起こすこと、よくありますよね。

匂いが記憶を呼び起こすこと、よくありますよね。




残業帰り、暗闇の中トボトボと家路についていると、塗料と少々の油と金属の匂いがしてきた。

何もなかった場所に建設中の新しいマーケット、開店に向けて夜遅くまで作業しているようだ。

このとき、脳裏に思い起こされたのは、一回り前、そう12年前の、ちょうどこの時期のアメリカ中西部でのこと。

「おい、アメリカに行くぞ」「新工場への提案だ」

2週間後、われわれの会社の自己紹介からはじめた英語でのプレゼンテーション、塗料と油の匂いがプンプンしてた。

翌月はデモ、そして翌月はお客さんのハンズオンの商品評価。

何百もの問題を指摘され帰国、年末年始を挟んで3週間後に再度プレゼンテーション。問題をすべてクリアにしました、と。

そしてその翌月、初めてのこどもが生まれるひとつき前にお客さんからの返事をもらった、採用します、と。

そこからほぼ毎月、その場所に通った、

何も無い土地に、鉄骨がたち、屋根がつき、設備が搬入された。

はじめて仕事でヘルメットをかぶり、セーフティグラスをつけ、安全靴を履いた。

2年後、1月1日のフライトにのり、その工場で作られる第1号製品を自分の目で見た。

塗料と少々の油と新しい金属の匂いがしていた。

その仕事をきっかけに、それまで新しい技術にしか興味が無かった技術開発者が、営業部門にうつることになった。

会社人生で最大の転機。

会社帰り、秋の夜のひんやりした空気の中、匂いを感じた数秒間でこんな記憶が一気に蘇る。

いまから一回り先、同じように思い出す、新しいこと。
あるだろうか。